学校の講演からネットでの音声配信まで、農業のリアルを発信する農家さんにインタビュー!

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農園 陽だまりの芽(新潟県五泉市)大湊隆史さん

出身:新潟県

年齢:41歳(取材当時)

栽培作物:米、里芋、オクラ、花き

経歴:新潟県のチューリップ農家に生まれ、

地元のパチンコ店のホールスタッフとして勤務。2016年に就農し、現在7年目。現在は花きの他、お米や里芋などを中心に栽培。

大湊さんが農家をはじめるま

ーーーどんなことがきっかけで農業への関心を持ちましたか?

当時の同僚に両親が育てたチューリップを贈った際、予想以上に感動してくれたことがきっかけです。それで「こんなに喜んでもらえる農業って一体何なんだ!!自分も挑戦したい!」と就農を決意しました。

ーーーなぜチューリップではなく稲作や里芋作りなどを選ばれたのでしょうか?

今後チューリップだけでは経営が難しいと父親からのアドバイスがありました。そうであれば、産地の里芋や野菜を増やしていければと思ったのがきっかけです。

ーーー田畑というと耕地面積が大きいイメージですが、農場の確保はどうされましたか?

農場は、父が借りている農地や自分で持っている農地を使いつつ、借りながら増やしていきました。周辺も農家が多い上、現在農家でない方が自分の土地を持っていることも多いです。そういう方に声をかけて、土地を貸してもらったり、逆に向こうから、使ってくれませんかとお声かけいただくこともありました。畑や農地は、使わないと耕作放棄地となってしまうので、お願いされることがあれば請け負っています。

大湊さんにとっての農業

ーーー新規就農をされて7年目ですが、今までで一番大変だったことはありますか

天候や虫などの外的要因による失敗です。どうしても農家って、1年に1回しか同じことができないんです。失敗したら次の年まで待たないといけない。その1回勝負で改善を続けていくのが大変でした。

ーーーどのような所に農業の魅力を感じますか?

農家は生産中心の1次産業と言われることが当たり前だったんですが、販売までできることを考えると、作るだけではなくゼロから自分が育てたものを自分の責任で販売まで持っていける所が農業の面白い所、魅力だと思います。

大湊さんの活動について

ーーーネットでの情報発信に力を入れられている印象ですが、何かきっかけはありますか?

きっかけは暇つぶしです(笑)

暇つぶしのついでに農家のことを少しでも発信できればいいかなと思い、最初はインスタから始めました。そのあとツイッターを始めたら、今度は音声配信がアツいっていう情報をもらったのでアプリを見てみました。動画配信より始めやすいし、自分が今何をやっているのか・どういう人物なのかを声色や喋る雰囲気を通して知ってもらえたら面白いかなと思って始めました。今はSpotifyやAmazon musicで配信をしています。商品を売ろうというより、面白いからやっていますね。

ーーーSNSを始めてよかったことはありますか?

農家って結構孤独なんです。会社などの仕事に行けばメンバーと触れることがありますが、農家は黙々と作業することが多いです。でもSNSを始めたことで、ツイッターで全国の農家さんとつながることができたり、知り合った写真家の方に写真を撮ってもらったりするようになりました。

ーーー対面での交流はされていますか?

4Hクラブや、青年農業士という若手の農家が集まる団体に所属しています。異業種だと、青年会議所という所に所属(現在は退会している)しました。同じ地元で農家以外の業種の方と触れ合う場に参加することで仕事につながればと思いました。

ーーーつながりが新たな活動のきっかけとなった例はありますか?

中学校の先生と知り合って、学校に講演に行ったりしました。また、今後は保育園に農業体験の先生として行くなど、年間通して旬のものを保育園で育てる活動も予定しています。食育活動を自分の中では今一番大切にしています。自分が発信して役に立てることがあれば、地道にやっていこうかなと。それが原動力になっています。

最後に、今後の活動について目標を教えてください

農家はまだまだ閉鎖的な部分があります。子供たちも実際にやってみないと分からない。実際に経験すると楽しさを感じてもらえるので、農家にならずとも食の重要性を学び、農作物がどのようにして出来るのか興味を持ってもらうことで、日本の農産物を知るきっかけを作っていきたいです。