マルコウアップル 楠美孝志さん

出身地:青森県 板柳町
年齢:51歳
経歴:高校を卒業後、農協に就職。サラリーマンのかたわら実家のりんご農家を兼業。
47歳で実家のりんご農家を継ぎ、同時に株式会社マルコウアップルを設立。
楠美さんがりんご農家をはじめるまで
ーーー早速ですが、りんご農家を始められたきっかけについてお聞きしたいと思います。
代々りんご農家の家系でしたので、両親の引退を機にりんご農家を継いで、そのタイミングで「株式会社マルコウアップル」として法人化しました。
ーーーそうなんですね、りんご農家を継がれる前は何をされていましたか?
高校卒業後に農協に就職して、ひと通りの部署や管理職を経験しました。
ーーーサラリーマンの時期が長かったんですね。継ぐことに迷いはありませんでしたか?
私も50歳を目前にしていたので、閉園するか、引き継ぐべきか悩みました。というのも、私が継いでも次の後継者がいなければ同じことの繰り返しだということがわかっていたからです。農協時代に、同じように後継者問題でりんご畑を手放す農家さんをたくさん見ていました。
ーーーそんな状況でも継がれる選択をされたのはなぜでしょうか?
悩んだ末の解決策として、法人化を選びました。家族でりんご畑を継いでいくことができなくても、会社の仲間が継いでいけるように周囲の助けを借りて法人化しました。
いまのマルコウアップルについて
ーーー現在マルコウアップルでは、何人の方が働いていますか?
正社員だと28歳、31歳、38歳、41歳、63歳の5人です。収穫時期にはパートの方にも助けてもらっています。
ーーー幅広いですね!63歳の方を雇用されたのには何か背景がありますか?
その方は他の地域でりんご生産を経験していた方で、引退して地元に帰ってきたところでした。ベテランとして経験を活かし、りんご農家を目指す若い世代に技術の継承をしてもらえればと思いました。このようなことを企業理念の一つとしています。
ーーーマルコウアップルでは希少品種を多く販売されている印象がありますね。
トキやぐんま名月、星の金貨などはサンふじや王林に比べ国内市場での需要が不安定なため、生産数が少なく市場に出回りにくい希少品種と言われています。こういった希少品種をネットを中心に販売することで、買っていただいた方に美味しさを知ってもらい、他の生産者のサポートやりんご全体への関心を高めることに貢献できたらいいなと思っています。
ネット販売で意識していること
ーーーごちレポ件数が多い上に高評価を得られていますが、何か秘訣はあるのでしょうか?
買ってもらった以上は満足してもらえるようにしたいと思っているので、「もし自分がこの値段で買って受け取って食べたときにどう思うのかを考えてみること」を常に意識しています。
ーーー食材にこだわりを持っているということでしょうか?
自分の看板を背負った物を販売しているので、美味しさを追求しています。しっかり味が乗ったりんごをお届けしたいと思い収穫を遅らせることもあります。
ーーーコミュニケーションに誠実である印象を受けましたが、何か意識されていることはありますか?
予約販売品の収穫期の遅延の報告などにボード機能を使っています。
また、配送トラブルには特に気を遣います。実際にトラブルが起きてしまった際は代替品配送のご案内をするなどお客様の立場に立って考えています。
ーーーごちレポなどお客様からのコメントにも真摯に対応されていることが信頼度につながっているように思います。ネット販売を通してどのようなことを大切にされていますか?
ネット販売を全くしていない状況から始めたので試行錯誤の繰り返しでした。「”失敗しそうだからやらない”ではなく、”とりあえずやってみる。失敗したらその原因を見つけて解決していく”」という姿勢を大事にしています。